ウィル
1 名前: ○話 アティorレックス 投稿日: 2003/08/06(水) 23:44
□ウィル夜会話


2 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/07(木) 14:44
ウィル:呆れたものだね

    まさか、本気で海賊の
    世話になるなんて

アティ:やっぱり
    納得できない?
    ウィルくん

ウィル:当たり前でしょう!?
    だって、もともと連中が
    船を襲ってこなければ・・・

    今頃は、とっくに
    工船都市に着いている
    はずだったんだ・・・

アティ:うん・・・

ウィル:元締めは乱暴者だし
    部下は生意気な小娘と
    能天気なオカマだし

    知性が感じられるのは
    唯一、あのヤードって
    召喚師だけだね

アティ:あ、ははは・・・

ウィル:ん・・・っ

アティ:ほら
    そろそろ眠ったら?
    久しぶりのベッドなんですから

ウィル:でも・・・

アティ:心配しないで
    いざとなったら
    先生がついているから

ウィル:根拠がないあたりが
    気に入らないけど

    さしあたりは、貴方の
    その言葉を信じるよ
    不本意だけど・・・

アティ:うん、そうして
    くれるとうれしいな

  安心して・・・
 何があっても、私は
約束を守るからね・・・


3 名前: 名無しさん 投稿日: 2003/08/07(木) 14:45
↑は2話ね


4 名前: 3話アティ 投稿日: 2003/08/07(木) 18:13
ウィル:まったく、なにを
    考えてるのか・・・

アティ:まだ・・・
    怒ってるんですか?

ウィル:当たり前でしょう!

    貴方の感情に任せた
    行動が、どれだけ周囲
    に迷惑をかけたことか

    巻き込まれる
    人たちの身にも
    なってくださいよ!

アティ:はい・・・
    ごめんなさい・・・

ウィル:もう・・・
    これじゃ、どっちが
    教師かわかりませんよ

   叱られちゃいました
      うう・・・


5 名前: 4話 アティ 投稿日: 2003/08/08(金) 02:45
アティ:話したいことって
    なにかな?

ウィル:誤解されたくないから
    一応、謝っとく・・・

    気分良くなったから
    態度が悪くなっていた
    かもしれない・・・

アティ:気にしてないよ
    そんなこと

    うん、誰だって
    機嫌が悪い時は
    あるもの

ウィル:・・・っ

    やっぱり・・・
    そうなるんだね・・・

アティ:ウィルくん?

ウィル:用事はそれだけですよ
    では、失礼します

アティ:あ・・・

   ウィルくん・・・
   やっぱり、様子が
    おかしいです


6 名前: 5話 アティ 投稿日: 2003/08/08(金) 13:12
アティ:先生って呼んでくれたの
    初めてだよね?

    ありがとう
    うれしかったです

ウィル:べ、別に・・・
    貴方を喜ばせるために
    言ったわけじゃ・・・

    当然のことですよ

    ・・・・・・

アティ:それでね、学校のこと
    なんですけど・・・

ウィル:続けたいんでしょう?
    別に構いませんよ

    でも、僕の授業は
    別にやってください

    やっぱり、落ち着いて
    勉強したいですから

アティ:わかりました
    なんとか、がんばって
    そうしてみます

ウィル:ほどほどに、でね?

  忙しくなりそうだけど
  でも、この子のために
   がんばらなくちゃ!


7 名前: 6話 アティ 投稿日: 2003/08/09(土) 15:58
アティ:ウィルくんも、最近は
    みんなとよく話すように
    なってきてますね?

ウィル:別に・・・

    無視するわけにも
    いかないから、普通に
    相手をしているだけだよ

アティ:そうなんですか?

    でも、いいことだって
    私は思うな?

    話をすることを
    やめちゃったら
    そこから先に進めない

    私はそう思いますから

ウィル:確かにね・・・

    召喚獣たちと仲良く
    するなんて、絶対無理
    だと思っていたけど

    話してみたら、結構
    まともなヤツもいた
    そう考えると・・・

    まずは話をしようっていう
    貴方の考え方も、あながち
    間違いとは言えないのかもね

アティ:ウィルくん・・・

ウィル:だけど、貴方みたいに、無節操に
    わかりあおうとするのは
    どうかと思うけどね

アティ:あ、ははは・・・

   でも、すこしでも
  そう思ってくれたのは
   うれしいです・・・


8 名前: 7話 アティ 投稿日: 2003/08/10(日) 00:40
アティ:私なりのやり方を
    通そうとしてみたけど

    結局、戦うことは
    避けられなかったな

ウィル:いいんじゃない?

    最初から、こうなる
    可能性のほうが高かった
    のは、当然だし・・・

    結果はともかく
    やったことに、悔いは
    ないんでしょ?

アティ:・・・・・・

ウィル:結果の出ない努力
    なんて、僕にとったら
    なんの意味もないけど

    結果を出せなかったことに
    責任を感じて落ち込むのは
    もっとバカだと思う

    先生は、そういう部分
    ありすぎなんだよ

アティ:そ、そうかな・・・

ウィル:もっとも、責任感覚が
    欠如してる連中よりは
    マシけどね・・・

     ウィルくん
  私のこと、気遣って
    くれたんだ・・・


9 名前: 8話 アティ 投稿日: 2003/08/10(日) 18:10
ウィル:顔色はだいぶ
    よくなったようですね   

    なにか、食べますか?
    とりあえず、スープが
    ありますけど・・・

アティ:ありがとう

ウィル:あまり、一気には
    食べないでくださいよ

    疲れのせいで、身体の
    機能が弱まってるって
    クノンも言ってましたし

    とにかく、休んで
    それを抜かないと

アティ:ねぇ、ウィル君?

ウィル:なんですか?

アティ:ありがとう
    なんか、ものすごく
    優しくしてくれて

ウィル:別に・・・
    病人の看病だから
    当たり前でしょう

アティ:それは、そうだけど

ウィル:別に、イヤで
    やってるわけじゃ
    ないんだし・・・

アティ:え・・・?

ウィル:とにかく、今は
    眠ってください

    どうせ貴方のことだから
    余計なことを考えてると
    思うけど

    せめて身体の調子が悪い時ぐらい
    体のことを、第一に考えて
    くださいよ

アティ:う、うん・・・

    うーん・・・
  すっかり、お見通しに
 なっちゃってるなぁ・・・


10 名前: 9話 アティ 投稿日: 2003/08/11(月) 08:47
ウィル:やれやれ、結局
    最後はいつもと
    変わらずだったね

アティ:そうでしょうか?
    私にとっては、すごく
    楽しい一日でしたけど

    帝都で過ごした休日
    よりも、ずっと
    充実していた気がします

ウィル:帝都、か・・・

    僕らが、この島に漂着してる
    なんて、誰も、考えていない
    だろうね

    父さんも、ばあやも
    きっと、僕が死んだ
    と思ってるだろうな

アティ:大丈夫ですよ
    船が直れば、すぐにカイルさん
    たちが連れ帰ってくれますよ

ウィル:だと、いいけどね

アティ:ウィルくん・・・

ウィル:疑ってるわけじゃ
    ないんだ

    先生たちが、約束を守ろうと
    してくれているのは、知ってる
    でもさ・・・

    正直、難しいよね?
    帝国軍や、剣のこと
    とかもあるし

    仕方ないって
    思っているから

アティ:でも、ウィルくんは
    帰りたいんだよね?

ウィル:当たり前だよ!?

    みんなと一緒の
    島の暮らしは
    楽しいけれど・・・

    軍学校に入るのは
    小さな頃からの
    僕の目標だったんだ

アティ:だったら、それを
    あきらめちゃダメです!

ウィル:でも、そんなのは勝手な
    ワガママだよ 貴方たちが
    抱えるもとの比べたら

アティ:同じですよ

ウィル:え・・・

アティ:君のも、私のも、みんなのだって
    真剣な願いには変わりません

    どれが大事かなんて比べたり
    できない、同じくらい大切な
    ものなんですから

ウィル:先生・・・

アティ:ワガママだって
    いいじゃないですか?

    ウィルくんにとって
    それが大切な願いなら
    譲らなくていいって思う

    全部・・・
    叶えちゃいましょう♪

    そのために、私も
    もっとがんばりますから

ウィル:また・・・
    そんな、無責任な
    こと、言って・・・

アティ:うーん、本気ですよ?
    これでも・・・

ウィル:知ってるよ・・・

    本当に、貴方は
    どうしようもないくらいに
    そういう人だもんね・・・

アティ:ええ、そうですとも♪

  口だけの約束には
   しないからね?
    きっと・・・


11 名前: 10話 アティ 投稿日: 2003/08/11(月) 15:05
ウィル:貴方と一緒にいると、つくづく
    常識というものを疑いたくなって
    しまうよ

    まさか、あの状況から
    自力で脱出してしまう
    なんて・・・

アティ:・・・正直言うとね
    私も、もうダメかなって
    思っちゃいました

    でも、みんなが必死に
    声をかけてくれたから
    がんばれたんです

ウィル:根拠の無い理由だけど
    そうじゃなきゃ説明が
    つかないしね

    ただ、ああいうのが
    何度も続くなんて
    思ったりしないでよ

アティ:どうして?

ウィル:精神的なものだけで
    全てが解決するなんて思ったら
    ますます無茶するでしょ?

    貴方はそれでよくても
    見ている僕らにすれば
    心臓に悪いんだから

アティ:う・・・

ウィル:危険を上手に避けるために
    知恵というものはあるんだから

    貴方も先生だったら、もう少し
    そっちも活用すべきだと思うよ
    まったく・・・

アティ:あははははっ
    努力します・・・

  でも、心配かけたのは
  事実ですから、反省は
   ちゃんとしましょう
    きっと・・・


12 名前: 11話 アティ 投稿日: 2003/08/11(月) 22:54
ウィル:遺跡で、そんなことが
    あったなんて・・・

アティ:ええ、油断していたわけじゃ
    なかったけど、ちょっと
    危なかったですね

ウィル:だとすると、さっきの
    赤い光は・・・

アティ:ええ、封印が完全じゃなかった
    せいなのかもしれません

ウィル:どうするんです?
    これから・・・

アティ:遺跡の調査は、護人の二人に
    まかせて、まずは帝国軍と
    決着をつけるつもりです

    じゃないと、仮に
    封印が成功しても
    意味がないですしね

ウィル:前向きだね?

アティ:ウィル君に叱られて
    ばかりじゃ、情けない
    ですからね

ウィル:なるほど・・・

   みんなの気持ちを
  無駄にしないためにも
   今は、とにかく前に
    進まなくちゃ!


13 名前: 12話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 18:40
ウィル:体のほうは?

アティ:だいじょうぶですよ
    前と同じで、ちょっと
    疲れただけ・・・

    それより、君こそ
    顔色が良くないわよ?

ウィル:考えてたんですよ
    彼のことを

アティ:イスラの?

ウィル:ええ・・・

    もしかすると、彼は
    僕の理想とする姿なのかも
    しれない、って

アティ:え・・・

ウィル:似てますよね?
    効率や、効能を考えて
    言葉を選んでいたり

    当事者にはならない
    常に一定の距離をおき、観察者
    として、覚めた目を向ける・・

    世の中を勝ち残っていくための
    鉄則、僕が目指してたものを
    彼は実践しているんだ

アティ:ウィルくん、君は・・・

ウィル:でもね、先生

    ・・・変なんだ
    彼を見てると、僕はね
    とても不安になってしまうんだ

    おかしいよね?
    最高のお手本が目の前に
    現れたっていうのに・・・

    僕は、彼のことを
    好きにはなれないんだ

    どうして・・・
    なんだろうな・・・

  それはね、きっと
   君が、昔の君と
 違ってきてるからじゃ
  ないのかな・・・


14 名前: 13話 アティ 投稿日: 2003/08/14(木) 16:01
ウィル:もう一本の剣を
    あの人が手に入れて
    いたなんて・・・

    彼が、ああまで傍若無人
    でいられたのは、それが理由
    だってことだろうな

アティ:強い力は、それだけで
    持つ者の心を変えてしまう
    といいますから

    イスラの豹変も
    そういうことなのかも
    しれません・・・

ウィル:先生は、どうなの?

アティ:え?

ウィル:力を手に入れたから
    そこまで、他人に優しく
    できるようになったの?

    剣の力があるから
    無茶なことばかりを
    平気でできるの!?

アティ:そう、見える?

ウィル:・・・

アティ:正直に言えばね
    私にも、わからないの

    剣の力がなかったら
    どこまでのことができたのか
    想像もつきません

    でもね・・・
    できる、できないは
    ともかくとして

    きっと、私は
    同じことをしてたかも
    しれないって思ってるの

ウィル:そうだね・・・

    なんとなく、僕も
    そんな気がするよ

アティ:本当は、もっと
    自信をもって言い切れたら
    いいんだけどね?

  ここから先の戦いは
   特に、ね・・・


15 名前: 15話 アティ その1 投稿日: 2003/08/15(金) 20:06
ウィル:やりましたね
    無色の派閥もしばらくは
    なにもできないでしょう

アティ:ええ、みんなが私に力を
    貸してくれたおかげです

    とくに、ウィルくん
    君がいなかったら、きっと
    私は立ち上がれなかった

    君の言葉が勇気づけて
    くれたから・・・

    私は、本当に自分が守り
    たかったものを、見つける
    ことができたんだと思うの

    ありがとう・・・
    本当に、感謝してるよ

ウィル:別に・・・
    改めて、お礼を言われても
    困るんだけど・・・

    そ、そもそも! お礼より先に
    次からは、ああならないように
    努力してくださいよ!

    生徒に気を遣わせる先生なんて
    聞いたことないですよ
    まったく・・・

アティ:あははは・・・

ウィル:あとは、イスラを倒して
    紅の暴君を封印すれば
    戦いも終わりですね

アティ:ええ、だけど間違いなく
    今までで、一番きつい戦いに
    なるでしょうね・・・

    心も、身体も、全てをかけて
    ぶつかっていかなくちゃ
    きっと、彼には勝てない

ウィル:でも、負けるつもりは
    ないんでしょう?

アティ:ウィルくん・・・

ウィル:これだけ、多くの人たちが
    貴方の夢をかなえる手伝いを
    したいと願ってるんです

    負けたら、承知なんてしない
    ううん・・・

    絶対に、勝たせてみせるよ!
    僕たち、みんながね

アティ:ええ、そうよね!

    それが終わったら
    いよいよ、この島とも
    お別れだね・・・

ウィル:そうだね・・・

    みんなと別れるのは
    すこし寂しい気もするけど

    でも、軍学校に行くって
    決めたのは、僕自身だから
    きちんと、やり遂げたいんだ

アティ:そっか・・・
    ウィルくん
    らしいね・・・

ウィル:だけど・・・

    もしも、先生が僕のために
    無理して、帰ろうって思って
    いるんだったら・・・

    残ってもいいんですよ?

アティ:え・・・


16 名前: 15話 アティ その2 投稿日: 2003/08/15(金) 20:06
ウィル:それはたしかに、最後まで
    貴方に教えてもらえたほうが
    僕もうれしいけど・・・

    でも、今の貴方はみんなの
    先生なんです 僕だけが独占
    していい人じゃない・・・

    だから・・・

アティ:ウィルくん・・・

    ありがとう・・・
    私のこと、思ってくれて・・・

    だけど、そんな心配なんか
    しなくたっていいんだよ

ウィル:え・・・

アティ:君が初めて、私を先生って
    呼んでくれた時、約束したよね?

    なにがあっても、私はずっと
    君の先生だよ、って・・・

ウィル:!

アティ:だから、君だけを、一人で
    帰したりなんかしない

    ちゃんと最後まで
    おつきあいさせてね?

    だって、君は私にとって
    初めての生徒なんですから

ウィル:先生・・・

    そうだね・・・
    中途半端なのは、やっぱり
    先生らしくないよね

アティ:ええ、そうですとも!

    がんばりましょうね
    ウィルくん

ウィル:あの・・・
    それなんですけど・・・

アティ:?

ウィル:「くん」って呼び方、もう
    やめにしてくれませんか?

アティ:あ・・・

ウィル:なんだか、いつまでも
    子供扱いされてるみたいで

アティ:ごめんね!? もしかして
    ずーっと、気にしてたり
    しちゃってたかな・・・

ウィル:いいですよ・・・
    別に・・・

アティ:そっか・・・
    やっぱり、傷つけちゃって
    いたんだね・・・

    それじゃ、これは・・・


ウィル:・・・っ!?

アティ:おわびと、仲直りって
    ことで・・・

ウィル:だ、だからって!?
    きキっ、き・・・

アティ:それじゃ、改めて
    がんばりましょうね?
    ウィル

ウィル:・・・・・・

アティ:ウィル?

ウィル:・・・

(倒れる効果音)

アティ:きゃ!? ちょっと
    しっかりしてぇーっ!?