ナップ
1 名前: ○話 アティorレックス 投稿日: 2003/08/06(水) 23:43
□ナップ夜会話


2 名前: 2話 アティ 投稿日: 2003/08/07(木) 14:55
ナップ:しかし、あれだよな
    まさか、本当に海賊の仲間に
    なっちまうとは思わなかったよ

アティ:やっぱり
    納得できない?

ナップ:そりゃあそうだって
    だって、もともとヤツらが
    船を襲ってこなければ
   
    こんなことには
    ならなかったんだもん

アティ:うん・・・

ナップ:でもさ、そういうのを
    とっぱらってみたら
    
    ここの連中って
    オレ、結構好きだぜ

    お頭のカイルなんて
    すげえ男らしくて
    カッコイイし

アティ:そっか

ナップ:ふぁ・・・っ

アティ:ほら
    そろそろ眠ったら
    久しぶりのベッドなんだから

ナップ:うん、そうだな
    そうするよ

アティ:(安心して・・・
     なにがあっても私は
     約束を守るからね)


3 名前: 3話 アティ 投稿日: 2003/08/08(金) 00:39
ナップ:なんだよあいつら
    まったく

アティ:まだ怒ってるの?

ナップ:当たり前だろ!
    アンタのおかげで
    助かったっていうのに

    あいつら、礼ひとつ
    言わないなんて・・・

アティ:いいんですよ
    私が好きでやったこと
    なんですし

ナップ:はあ・・・
    アンタって、本当に
    お人好しだな

アティ:そうですか?
   
ナップ:なあ、どうして
    そんな風に他人を
    信じられるんだよ?

アティ:えっと・・・
    改めて聞かれると
    答えに困っちゃうなあ

ナップ:だめだこりゃ

アティ:(うーん・・・
    これが私にとっては
    自然なんだけどなあ)


4 名前: 4話 アティ 投稿日: 2003/08/08(金) 18:47
アティ:話したいことって
    なにかな?

ナップ:あのさ・・・
    一応、謝っておく・・・
    
    さっきから、オレ
    なんか態度が悪いから

アティ:気にしてないよ
    そんなこと

    うん誰だって
    機嫌が悪い時は
    あるもの

ナップ:・・・っ

    アンタ・・・
    やっぱり、ちっとも
    わかってない・・・

アティ:ナップくん?

    用事はそれだけだよ  
    じゃ、おやすみ!

アティ:(ナップくん・・・
     やっぱり様子が
     おかしいです)


5 名前: 5話 アティ 投稿日: 2003/08/09(土) 00:26
アティ:先生って呼んでくれたの
    初めてだよね?

ナップ:う、うん・・・

アティ:ありがとう、私
    うれしかったです

ナップ:そ、そんなのっ
    改まって確認するなよな!
    まったく・・・

    は、恥ずかしいだろ!

アティ:それでね、学校のことなんですけど

ナップ:続けていいよ
    オレ、もう平気だから

    ただ、オレの授業は
    別にやって欲しい

    オレ、頭が悪いから
    やっぱつきっきりで
    教えて欲しいし・・・
 
    ダメ?

アティ:わかりました
    なんとか、がんばって
    やってみますね

ナップ:うん!

アティ:(忙しくなりそうだけど
    でもこの子のために
    がんばらなくちゃ!)


6 名前: 6話 アティ 投稿日: 2003/08/09(土) 18:33
アティ:ナップくんは
    最近スバルくんと
    仲がいいみたいですね

ナップ:うん、まあな

    俺もあいつも、勉強
    より身体を動かす
    ことが好きだからさ

    一緒になって、外で
    遊んでるんだぜ
 
アティ:そうなんだ?

ナップ:それに俺
    一人っ子だったからさ
    
    ニイちゃんて
    呼ばれるとさ、やっぱ
    うれしいんだよな

アティ:・・・

ナップ:この島にいる連中と
    仲良くしていくなんて、最初は
    絶対無理って思ってたけど
 
    話してみたら
    全然、そんなこと
    なかったって思ったよ
    
    先生が言ってた
    とおりだったってね

   (ナップくんにすれば
    いい弟分ができたって
    ことなんだろうな)


7 名前: 7話 アティ 投稿日: 2003/08/11(月) 00:11
ナップ:惜しかったよな
    せっかく、話ができる
    かもしれなかったのに
   
    あの大砲のせいで
    全部、ブチ壊しに
    なっちゃってさ

アティ:仕方ないですよ
    あの状況じゃ、みんなを守ること
    のほうが大切でしたし

    それに機会はまた
    作ればいいんですよ  

ナップ:そっか・・・  
    そうだよな・・・

アティ:ええ、私は私の信じているやり方で
    これからもがんばっていくことに
    決めましたから

    ナップくんが
    きっかけをくれた
    おかげだね・・・

ナップ:よしてくれよ オレはただ
    アンタがへこんでいるのが
    気に食わなかっただけで

    別にたいしたこと
    してないんだからさ

アティ:それでも、ありがとう

ナップ:や、やめろってば!

    っ、たく・・・どうして
 
    アンタはそう恥ずかしいことを
    言えるんだよ?

    だから、女ってのは
    キライなんだ・・・

アティ:・・・ん?

ナップ:な、なんでもないッ!

   (本当に感謝してるよ
    ナップくん・・・)


8 名前: 8話 アティ 投稿日: 2003/08/11(月) 00:24
ナップ:起こしちゃった?

アティ:平気ですよ
    起きてましたから

ナップ:カイルが、ここまで
    おぶって連れてきて
    くれたんだぜ

アティ:そっか・・・
    後で、きちんと
    お礼をいわなくちゃ

ナップ:さっきの戦いさ
    なんか、似てたよな

    俺が飛び出して
    捕まった時とさ

ナップ:そうかな・・・
    でも、言われると
    そうかもしれないね

    あの時と同じこと
    また、やっちゃったか
    ははは・・・

ナップ:そんな、他人事
    みたいに・・・

    まあ、アンタが、そういう性格
    なのは、いいかげん、オレも
    わかってきたけど

    それでも、すこしは
    自分のことも大切に
    しろよな!

    心配する方の身にも
    なってくれよ
    まったく・・・

アティ:ナップくん

    そうだよね・・・

    倒れちゃったら、もう
    誰かを守ることさえできなく
    なっちゃうんだもんね

ナップ:そうだよ

    早く元気になって
    スバルたちを安心
    させてくれなくちゃ

アティ:うん・・・

    (子供たちを不安に
     させるようじゃ
     先生失格ですよね
     うん・・・)


9 名前: 9話 アティ 投稿日: 2003/08/12(火) 00:50
ナップ:あーあ、せっかく
    いい気分で一日が
    終わると思ったのに
   
    最後の最後でケチが
    ついちゃったよなあ

アティ:そうでしょうか?
    私にとって、すごく
    楽しい一日でしたけど
   
    また機会を見つけて
    みんな一緒に出かけ
    られるといいよね

ナップ:うん・・・
   
    ずっと、ずっと

    こうしていられると
    いいんだけどな
 
アティ:・・・

ナップ:いつかはさ、オレたち
    この島から出ていく
    ことになるんだろ?
 
    工船都市まで送ってもらったら
    カイルたちともお別れだし
    それに・・・

    アンタを先生って
    呼べるのも、軍学校に
    入るまでだしさ

アティ:ナップくん・・・

ナップ:わかってるよ、オレにも
     みんなにも、それぞれに
     やるべきことがあるんだから

     そのために、一人でも
     がんばらなくちゃ
     いけないってことは

     でもさ・・・
     オレ、このままずっと
     みんなとここで暮らしてたいよ
   
     ずっと・・・
     先生の生徒のままで
     いたいよ・・・
   
     ただのワガママだよな
     こんなの・・・

アティ:そうかも、しれませんね
   
     でも、君がそう思う
     ことが、間違いだとは
     私は思いませんよ
 
ナップ:え?

アティ:軍学校に入るのも、島に残って
    暮らすのも、君の好きなように
    決めればいいと思う

    大切なのは、そう決めたことに
    対して、自分で自分に責任が
    とれるかじゃないかな

ナップ:自分に責任・・・

アティ:後悔をしないように
    完璧な答えを選ぶなんてこと
    誰にもできないけど・・・
    
    後悔しても、構わない
    そう覚悟して、進むことなら
    なんとかできると思うの

ナップ:・・・!

アティ:ワガママだって
    いいんですよ
   
   生きていくことって
   結局、自分の意志を
   通していくことですもの
  
   どうせなら、本当に
   やりたいことを通していく
   ほうが、気分いいよね?
 
ナップ:そうだね・・・

アティ:しっかりと考えて
    納得できる答えを
    探しましょう
  
    それがどんな答え
    でも、君が正しいと
    信じられるものなら

    私、応援しますから

ナップ:・・・うん

    ありがとう、先生!

    (家庭教師としては
     失格だろうけど
     でも・・・
     これでいいよね?)


10 名前: 10話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 00:38
ナップ:命を奪いあうことも
     捨てることも
     認めない、か・・・

     そう言った時の先生
     ちょっと、カッコ
     よかったぜ

アティ:や、やめてください
     照れちゃいますよ

ナップ:ホントだってば
     なんか、正義の味方
     って感じだったもん

アティ:正義の味方だなんて
     おおげさですよ

     私はただ、周りの誰かが
     傷ついたり、悲しんだり
     するのが見たくないだけ

     自分の身勝手を
     とおしてるだけだよ

ナップ:身勝手でも、別に
     いいと思うけどな

アティ:え?

ナップ:だって、先生の身勝手って
     絶対に自分以外の人のことを
     考えてるじゃないか

     最初は、正直呆れてたけどさ
     なんとなく、わかってきた
     気がするんだ

アティ:ナップくん・・・

ナップ:誰かを守るために
     強くなる、か・・・

     どうせなるんだったら
     オレも、そんな軍人
     目指してみようかな?

     (嬉しいけど・・・
      なんだか、ちょっと
      複雑な気分です・・・)


11 名前: 11話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 00:39
ナップ:三人だけで遺跡に
     行くって言った時は
     ちょっと心配したぜ

     前みたいに、また
     大変なことになるんじゃないか
     と思ってさ

アティ:うーん、そんなに
     私、信用ないですか?

ナップ:だって、アンタは前歴ありまくり
     だし、オレより、よっぽど
     危なっかしいもん

アティ:そこまで言わなくてもいいって
     思いますけど・・・

ナップ:ま、でも無事に
     戻ってきたんだから別にいいや

アティ:封印が成功したか
     どうかは、ちょっと
     微妙みたいですけど

ナップ:仕方ないって
     だって、本当ならふたつの剣が
     必要なことなんだろ?

     すくなくとも、今は
     護人同士のいざこざが消えた
     だけでもよしとしなくちゃ

     (そうだよね・・・
      ナップくんのいうとおり
      ですよね・・・)


12 名前: 12話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 00:39
アティ:すこしは、落ちついて
     きました?

ナップ:・・・・・・

アティ:無理もないですよ
     あんな光景を目の前で
     見せられたんだもの

     あれは・・・
     ひどすきました・・・

ナップ:でも
     あれが戦場なんだろ?

     軍人になるってさ
     ああいう戦いに参加するって
     ことなんだろう?

アティ:・・・

ナップ:わかんなくなって
     きちゃったよ

     強い軍人になって
     みんなを守りたい
     だけど・・・

     あんな戦いを続けていく
     自信なんて
     オレ、全然ないよ!

アティ:ナップくん・・・

ナップ:わからないよ、先生
     オレ、どうしたらいいのか・・・

     わからないよぉっ!?

     (ごめんね、ナップくん
      私にも、その答えは
      わからないのよ
      今でも・・・)


13 名前: 13話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 00:40
ナップ:まさか、イスラが
     もう一本の剣の持ち主
     だったなんて・・・

     なんで、あんなヤツが
     選ばれたんだろう

     見る目が無いよなあ
     剣の意思ってのも

アティ:うーん、そう言っちゃうと
     私が、選ばれたことだって
     どうかと・・・

ナップ:先生はいいんだよ
     だって、正しい使い方
     してるじゃないか?

アティ:正しい使い方って
     何を基準にして?

ナップ:え、それは・・・

アティ:私にしろ、彼にしろ
     選ばれたのは、多分
     そんな理由じゃないよ

     単純に、剣を使える資質が
     あっただけ・・・

     だから、決められた
     正しい使い方なんて
     あの剣にはないんだよ

     きっと・・・

ナップ:そんな・・・

アティ:いくら強い力を秘めていたって
     道具は道具、使い方を決める
     のは持ち主なんだもの

     そのことだけは
     忘れないでね?

ナップ:う、うん・・・

    (私自身も、ね・・・)


14 名前: 15話 アティ 投稿日: 2003/08/13(水) 00:40
ナップ:やったな、先生!
     これでもう、無色の派閥
     なんかこわくないぜ!

アティ:ええ、みんなが私に力を
     貸してくれたおかげです

     とくにナップくん
     君がいなかったら、きっと
     私は立ち上がれなかった

     君の言葉が勇気づけて
     くれたから・・・

     私は、本当に自分が守り
     たかったものを、見つける
     ことができたんだと思うの

     ありがとう
     本当に、感謝してるよ・・・

ナップ:いいんだってば!
     改めて、礼を言うようなこと
     なんかじゃないって!

     だって、アンタはオレの先生で
     オレはアンタの生徒だもん

     そんなの、全然
     当たり前のことだって!

アティ:そっか・・・

ナップ:あとは、イスラをやっつけて
     紅の暴君を封印するだけだな?

アティ:ええ、だけど間違いなく
     今までで一番きつい戦いに
     なるでしょうね・・・

     心も、身体も、全てをかけて
     ぶつかっていかなくちゃ
     きっと、彼には勝てない

ナップ:だいじょうぶだって!

     だって、今の先生には
     オレたち、みんなが
     ついてるんだもん

     前みたいに、一人きりで
     戦うんじゃない
     みんなで、戦うんだ!

アティ:ナップくん・・・

ナップ:ぶちかましちゃおうぜ?
     イスラの目を覚ますくらい
     きっついのをさ!

アティ:ええ、そうね!

     それが終わったら
     いよいよ、この島とも
     お別れだね・・・

ナップ:あのさ、先生・・・
     そのことなんだけど・・・

     もしも、先生がオレのために
     無理して、帰ろうって思って
     いるんだったら・・・

     残ったって、いいんだぜ?

アティ:え・・・

ナップ:そりゃ、オレだって
     本当だったら、ずっと先生の
     側にいたいよ・・・

     でもっ! 先生はもう
     オレだけの先生じゃない!
     みんなの先生なんだ・・・

     だから、オレ・・・

アティ:ナップくん・・・

     ありがとう・・・
     私のこと、思ってくれて・・・

    (アティ、ナップを抱き寄せる)

ナップ:あ・・・

アティ:君が初めて、私を先生って
     呼んでくれた時、約束したよね?

     なにがあっても、私はずっと
     君の先生だよ、って・・・

ナップ:!

アティ:だから、君だけを、一人で
     帰したりなんかしない

     帰る時も、戻ってくる時も
     絶対に、その時は一緒だよ

ナップ:うん・・・
     ありがとう、先生・・・

     先生に会えて、オレ・・・
     よかった・・・

     大好きだよ・・・っ

アティ:うん・・・

     先生も、君のことが大好きよ
     ナップ・・・